診療案内

- 小児疾患 -

発熱
38℃以上の発熱が
あったら 年齢別
  • 生後0〜1ヶ月
  • 一見元気で食欲があると思っても、とにかく早めに受診してください。
  • 生後2〜3ヶ月
  • ミルクの飲みも良く、機嫌もよければ慌てることはないですが、24時間以内に受診することをおすすめします。
  • 生後4〜5ヶ月
  • ミルクの飲みもまあまあで、機嫌もそれほど悪くなければ、夜間に慌てることないですが、まだ高熱(38℃以上)を出す月齢ではないので、翌日には受診をおすすめします。
  • 生後6ヶ月以上
  • 食欲や機嫌がまあまあであれば、夜間や休日(連休を除く)にあわてて受診することはないですが、翌日以降には小児科へ受診してください。
こんな発熱は早めに
受診してください
月齢が低い
赤ちゃんの発熱
細菌感染などの可能性があります、症状も急変しやすいので、ほかの症状がなくても早めに受診してください。
脱水症状が
あるとき
お子さんが水分を受け付けない、おしっこが出ない、目が落ちくぼんでいるなど、脱水の症状があるときは、早めに受診してください。
熱のほかの
症状がひどいとき
発熱は生体の正常な防御反応の状態であり、病気そのものではない場合も多いです。したがって、必ずしもお子さんの発熱そのものを急いで治療する必要はなく、発熱の原因をさぐることが重要です。
すぐにおさまらない場合でも、お子さんの全身状態がよければあわてず数日(最高5日程度)は待つ忍耐も必要なときがあります。
発熱の高さは重症度と相関はします(39.5℃以上の発熱では細菌感染症を念頭におく)が、お子さんの全身状態がよければ自然治癒するウイルス感染の可能性が高いです。熱の高さより全身状態の把握が大切です。
気管支喘息について
気管支喘息は、小児に多く見られるアレルギー性疾患のひとつで、気道に慢性的な炎症が起こることにより、わずかな刺激に対しても気道が狭くなり、呼吸困難や咳、喘鳴(ぜんめい:ゼーゼー、ヒューヒューという呼吸音)を繰り返す病態です。
特に夜間から早朝にかけて症状が現れやすく、風邪様の症状と誤認されることもあるため、注意深く観察することが重要です。
主な誘因(悪化因子)

* 室内のダニやハウスダスト、ペットの毛

* ウイルス感染(風邪など)

* 気温・気圧の急激な変化

* 心理的・身体的ストレス、疲労、睡眠不足

治療方針
喘息治療の主な目標は、「喘息発作を予防し、発作がない状態を維持すること」「通常の生活・運動が問題なく行えること」「呼吸機能を正常に保つこと」です。
そのためには環境整備(ハウスダスト対策など)と薬物療法が柱となります。薬物療法は、発作時の対症療法(気管支拡張薬や経口ステロイド薬)と、日常的な発作予防を目的とした長期管理薬(吸入ステロイド薬、ロイコトリエン拮抗薬など)を組み合わせて行います。
定期的な受診と評価により、症状のコントロール状況を確認し、適切な治療の継続が重要です。
食物アレルギーについて
食物アレルギーは、特定の食品に含まれるアレルゲン(主にたんぱく質)に対して免疫系が過剰に反応することにより、皮膚、呼吸器、消化器などに症状が現れる病態です。特に即時型と呼ばれるタイプが多く、食後数分から数時間以内に症状が出現します。
主な原因食品は、鶏卵、牛乳、小麦の他、ナッツ類(特にくるみ、カシューナッツ)、ピーナッツ、甲殻類、果物などが挙げられます。
症状

* 【皮膚症状】発赤、蕁麻疹、かゆみ

* 【呼吸器症状】喉の違和感、喘鳴、呼吸困難

* 【消化器症状】腹痛、嘔吐、下痢

* 【神経・循環器症状】意識レベルの低下、血圧低下、四肢冷感など



特に注意を要するのはアナフィラキシーおよびアナフィラキシーショックであり、迅速かつ適切な対応が求められます。
検査と治療
診断には血液検査、皮膚テストに加え、必要に応じて「食物経口負荷試験」が行われます。負荷試験はリスクを伴うため、重症例では専門施設にて実施することが望まれます。
治療の基本方針は、必要最低限の原因食物の除去であり、過剰な制限は栄養障害の原因となるため注意が必要です。摂取可能な量の評価を行い、必要に応じて段階的に食事指導を行います。
また、アナフィラキシーの既往がある場合は、アドレナリン自己注射薬(エピペン®)の処方と併せて、保護者・学校関係者への使用指導が不可欠です。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は、慢性的な経過をたどる皮膚疾患で、皮膚のバリア機能の低下と、それに伴う炎症反応を主な病態とします。乳幼児期に発症することが多く、かゆみの強い湿疹が特徴です。
皮疹は左右対称に現れることが多く、悪化因子(アレルゲン、環境要因、ストレスなど)により症状の増悪・再燃を繰り返します。掻くことによってさらに悪化する「かゆみの悪循環」を断ち切ることが、治療の重要な目的のひとつです。
増悪因子

* ダニ、ハウスダスト、ペットの毛など

* 発汗、皮膚の汚れ、乾燥

* 季節の変化、花粉

* 精神的ストレス、過労、睡眠不足

治療方針
アトピー性皮膚炎の治療は、「皮膚症状を可能な限り軽減し、寛解状態を維持すること」「生活の質(QOL)を高めること」「薬物療法への依存を最小限に抑えること」を目標に行われます。

1. スキンケア

洗浄による清潔保持と、保湿剤によるバリア機能の改善を基本とします。皮膚を擦りすぎないよう注意し、優しく洗浄することが望まれます。

2. 薬物療法

- ステロイド外用薬、タクロリムス軟膏、デルゴシチニブ軟膏などによる炎症の抑制
- 抗ヒスタミン薬によるかゆみの軽減
症状の重症度や年齢に応じて治療法を選択し、定期的な評価と調整が必要です。ご家庭でのスキンケアの継続が、再発防止と予後の改善につながります。
アレルギー性鼻炎について
アレルギー性鼻炎は、ダニ、ハウスダスト、花粉などのアレルゲンに対する免疫反応によって、鼻粘膜に炎症が起こる疾患です。小児においてはくしゃみ、鼻漏、鼻閉などの症状が顕著で、QOL(生活の質)の低下にもつながることがあるため、適切な診断と管理が求められます。
本疾患は、大きく以下の2つに分類されます

* 通年性アレルギー性鼻炎(主にダニ・ハウスダストが原因)

* 季節性アレルギー性鼻炎(主にスギ・ヒノキ花粉などが原因)

また、両者を併せ持つ混合型も少なくありません。

* 反復するくしゃみ

* 水様性鼻漏

* 鼻閉による口呼吸・睡眠障害

* 結膜のかゆみ・流涙

治療方針

1. 環境整備

ダニ・ハウスダスト対策として、寝具の防ダニカバー使用やこまめな掃除が推奨されます。花粉症の場合には飛散時期のマスク着用や洗濯物の室内干しなども有効です。

2. 薬物療法

- 抗ヒスタミン薬:くしゃみ・鼻水を抑える
- 点鼻ステロイド薬:局所の炎症を軽減
- ロイコトリエン受容体拮抗薬:鼻閉改善作用

3. アレルゲン免疫療法(舌下免疫療法)

ダニまたはスギ花粉が原因である場合、体質改善を目的とした免疫療法が選択肢となります。数年間にわたる治療継続が必要ですが、長期的な症状軽減が期待されます。

定期的な経過観察と、個々の生活環境に合った対策が重要です。ご家族と連携しながら、無理なく続けられる治療を進めてまいります。
乳幼児の便秘症
症状
乳児や幼児における機能的便秘の一般的な症状には以下のようなものがあります:
* 頻繁に便が硬く、排便が困難
* 排便の頻度が減少し、通常よりも間隔が長くなる(週に数回以下)
* 排便時に痛みや不快感を訴える
* 便秘が原因で腹痛を伴うことがある
* 便失禁や過剰な排便抑制行動(便を我慢する行動)
原因
機能的便秘の原因は主に以下の通りです:
* 食事: 不十分な食物繊維の摂取や水分不足。
* トイレトレーニング: トイレトレーニングのストレスや不安が便秘を引き起こすことがあります。
* 運動不足: 活動量の不足が腸の運動性を低下させることがあります。
* 精神的要因: 環境変化や家族内のストレスなど、感情的な要因も影響することがあります。
治療
機能的便秘の治療には、以下のアプローチが推奨されます:
生活習慣の改善
* 食事: 食物繊維を豊富に含む食品(野菜、果物、全粒穀物など)を増やし、充分な水分を摂取させる。
* 運動: 日常的な身体活動を促進し、定期的な運動を習慣化する。
* トイレ習慣: トイレトレーニングに対するポジティブなアプローチを取り、排便のリズムを整えるための支援を提供する。
薬物療法
* 浸透圧性下剤など: 便を柔らかくし排便を容易にする安全な薬剤を使用。
代表的なものについては下記を参照ください。
* 刺激性下剤: 初期に使うことはありません。
教育とサポート
* 保護者への教育: 便秘の原因、予防策、および家庭での対応方法についての情報提供。
* 医師との定期的なフォローアップ: 症状の観察と治療計画の調整を行います。
これらのアプローチによって、多くの乳幼児の便秘は改善されていきます。重要なのは、子どもが快適で健康的な日常生活を送れるよう支援することです。

乳児や幼児の便秘治療において、ラクツロース、酸化マグネシウム、ポリエチレングリコール(PEG)がよく使用される薬剤です。
ラクツロース
ラクツロースは糖類の一種で、腸内で分解されずに大腸まで到達し、水分を腸内に引き込むことで便を柔らかくし、便秘を改善します。

使用方法:
* 量: 医師の指示によりますが、一般的には1日に数ミリリットルから始め、効果を見ながら徐々に増量します。
* 投与方法: ラクツロースはシロップ形式で、そのまま与えるか、水やジュースに混ぜて与えることができます。
* 注意点: 効果が現れるまでに1〜2日かかることがあります。また、ガスが発生することがあるので、腹部膨満感やガスによる不快感を訴える場合は、医師に相談してください。
酸化マグネシウム
酸化マグネシウムは塩類下剤で、水分を腸内に保持して便を軟化させる効果があります。

使用方法:
* 量: 医師の指示に従います。
* 投与方法: 酸化マグネシウムは粉末形式で、水に溶かして飲ませます。
* 注意点: 過剰に使用すると、下痢を引き起こすことがあるため注意が必要です。また、腎機能に問題がある場合は使用できないことがあります。
ポリエチレングリコール(PEG)
PEGは、水分を便に引き込むことで便を柔らかくし、便秘を解消する効果があります。

使用方法:
* 量: 体重に応じて医師が適切な量を指示します。
* 投与方法: PEGは粉末形式で、指定された量を水に溶かして飲ませます。通常、味がほとんどないため、飲みやすいです。
* 注意点: 効果は比較的速やかに現れることが多いですが、過剰に使用すると下痢を引き起こす可能性があります
これらの薬剤はどれも便秘の症状を緩和するために有効です。
使用する際は必ず医師の指示に従ってください。
効果の出方や副作用についても観察し、何か異常を感じたらすぐに医師に相談することが重要です。
おねしょ
おねしょは3歳頃までのお子さんにみられる現象で、膀胱の働きが未熟であるために起こります。一方、夜尿症は5歳以上のお子さんにみられるもので、1カ月に一度以上、睡眠中のおもらしが3ヶ月以上続いている状態をさします。
お子様のおねしょに対する治療方法は多岐にわたり、お子様の年齢やおねしょの頻度、それに伴う状況などによって異なります。お子様が安心して夜を過ごせるよう支援し、おねしょの改善を目指します。
1. 生活習慣の見直し
日常生活の中でいくつかの習慣を見直すことも、おねしょ治療に効果的です。
* 夜間の飲料制限:就寝前2〜3時間は水分摂取を控えめにし、膀胱への負担を減らします。
2. 行動療法
行動療法は、おねしょの管理において最初に試される一般的な方法です。
* アラーム療法:おねしょアラーム(尿感知器)を使用して、お子様が尿を意識しやすくなるよう訓練します。尿が出始めるとアラームが鳴り、それによってお子様は目覚めてトイレに行くことを学びます。
* 定期的なトイレの使用:就寝前には必ずトイレを使用し、お子様がトイレのリズムを身につけるよう促します。
* 昼間の排尿習慣:2-3時間経過したら尿意があまりなくてもトイレに行くようにします。次の時間まで我慢するうちに尿意を感じられるようになります。また、意識的に尿意を我慢することにつながります。
3. 薬物療法
行動療法や生活習慣の改善だけでは効果が不十分な場合、薬物療法が検討されることがあります。
* デスモプレシン:腎臓の尿生成を抑制する効果があり、夜間の尿量を減らしておねしょを防ぐお薬です。
* 抗コリン薬:膀胱の過活動を抑える効果があります。
4. 心理的サポート
おねしょはお子様の自尊心に影響を与えることがあります。親御さんが積極的に支援し、お子様が恥ずかしさや罪悪感を感じないよう心がけてください。
おねしょは多くの子どもたちが経験する一時的な問題ですが、親御さんとしてはお子様が安心して成長できるよう、適切な支援と理解を提供することが大切です。
小児の頭部打撲
小さなお子様が頭部を打撲した際には、以下の点に注意して、必要に応じて迅速に小児科を受診してください。こうした事態は親御さんにとっても不安なものですが、適切な対応をとることが重要です。
注意すべき症状
お子様が頭部を打った後に以下のような症状が現れた場合は、すぐに医療機関を受診する必要があります。
  • 意識の変化:意識がもうろうとしている、反応が鈍い、意識がない。
  • 嘔吐:打撲後に繰り返し嘔吐する場合。
  • 視覚障害:視界がぼやける、二重に見える、視力の異常が生じる。
  • 行動の変化:通常と異なる行動、異常なぐったり感、興奮状態。
  • 体の動き:手足の動きに偏りがある、歩行時にふらつきがある。
  • 発作:けいれんや異常な体の震えが起こる。
  • 頭痛:強い頭痛が続く、または徐々に強くなる。
  • 流涎や鼻からの流血または透明な液体の流出:鼻や耳から血液や透明な液体が流れる。
受診時の注意
  • 症状の詳細を伝える:いつ、どのようにして頭を打ったのか、その後どのような症状があったかを詳細に伝えてください。
  • 観察を続ける:医師の診察後も、症状の変化には注意深く観察してください。新たな症状が現れた場合は、再度医療機関に連絡するか、訪れるかしてください。
その他の対応
  • 冷却:打撲した部分が腫れている場合は、清潔な布に氷を包んで軽く冷やすと良いでしょう。ただし、氷は直接肌に触れないようにしてください。
  • 安静にする:活発な運動や激しい遊びは避け、安静にしてください。
お子様の健康を守るためにも、異常を感じたらためらわずに専門の医療機関に相談し、正確な診断と適切な治療を受けることが重要です。
診療
受付
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12:00

※第3
木曜
休診

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17:30

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